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ブログ「令和2年4月6日Facebookより転載」

108兆円「事業規模」の緊急経済対策。決定された文書を読んでいる。日経が触れていないところだと、以下のようなところが目につく。

①業界団体向けの細かな補助金、支援金などがずらっと並んでいる。地方の自民党の政治家の皆さんの頑張りが形に表れていますね。
《 ・農業及び水産業における労働力確保緊急支援事業(農林水産省)
・ 労働力不足の解消に向けたスマート農業の導入・実証(農林水産 省)
・ 肥育牛経営等緊急支援特別対策事業(農林水産省)
・ 肉用子牛流通円滑化緊急対策事業(農林水産省)
・ 漁業収入安定対策事業(農林水産省)
・ 野菜価格安定対策事業(農林水産省) 》

②厳しい経営環境にある中小企業に納税や社会保険料の支払いを延滞金なく一年間「猶予」するための予算、約26兆円。ここを「免除」にしてくれると、本当に助かる経営者が多いはずなんだけどなぁ。

③減税としては、地方税の免除。これは助かるはず。
《厳しい経営環境にある中小事業者等に対して、令和3年度課税の1 年分に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画 税の負担を2分の1又はゼロとする。また、新型コロナウイルス感染 症の影響を受けながらも新規に設備投資を行う中小事業者等を支援 する観点から、生産性革命の実現に向けた固定資産税の特例措置の拡 充・延長を行う。これらの措置による減収額については、全額国費で 補塡する。》

④インバウンドを引き続き全面支援。観光業、確かに大事ですが、果たして。保守系雑誌がインバウンド見直しを叫んだが、どこ吹く風、ですね。

⑤サプライチェーン改革として、以下のように記されている点は賛同。
《新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、マスク等の衛生用 品も含めた我が国のサプライチェーンの脆弱性が顕在化したことを 踏まえ、複数年にわたる取組により、国内回帰や多元化を通じた強固 なサプライチェーンの構築を支援する。具体的には、一国依存度が高 い製品・部素材について生産拠点の国内回帰等を補助する(中小企業 への補助率3分の2、大企業は2分の1等)とともに、マスクやアル コール消毒液、防護服、人工呼吸器、人工肺等国民が健康な生活を営 む上で重要な製品等の国内への生産拠点等整備の補助率を引き上げ る(中小企業への補助率4分の3、大企業は3分の2)。また、海外依存度が高い医薬品原薬等の国内製造拠点の整備も支援する(補助率 2分の1)。》
 ただし、補助金で国内回帰ができると思っているならば、これは成功しないだろう。工場開設と輸出入に関する各種許認可の煩わしさ・遅さと経費の高さ、円高を容認する金融政策オンチ、知的財産保護に関する体制の貧弱さ、電気代などの高さなどの改善という複合的なアプローチが必要なのだが。

これだけこまごまとして政策をいざ実施するとなると、官僚も地方自治体も大変だろうなぁ、というのが実感。そもそ実際にできるのだろうか。

また、国民が求めていた消費税減税は無視。即効性のある社会保険料の支払い免除も「猶予」に格下げ。これは本当に残念。

文書だけ見ていても、真水がどれくらいかは分からないので、あとは専門家の解説を待ちたい。

対外的には108兆円という数字はインパクトが大きく、安心感を与えることになるので、その点はよかった。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57721290W0A400C2EA1000/

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