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ブログ「令和2年4月7日Facebookより転載」

 あまり揚げ足取りばかりしていると見られるのも困るが、政策立案に携わった立場からすれば、政策は簡潔明瞭で、かつ事務コストができるだけ少ないことが望ましい。
 その観点からすると、政府の「緊急経済対策案」にも、「国民にわかりやすく」として次のように書かれている。

《真に国民目線に立った正確かつ分かりやすい情報発信を迅速に行う。広報担当官の設置に加え、関係省庁ごとに発信している情報の政 府全体での集約や、ウェブ上におけるワンストップ・プラットフォー ムの作成等にとどまらず、国民の知りたい情報を包括的に分かりやす く伝える観点からの効果的な広報を徹底する》

だが、一世帯あたり30万円の給付金については次のように書かれている。

《感染症の影響を受け収入が減少し、事態収束も見通せずに日々の生 活に困窮している方々に対し、迅速に、手厚い、思い切った支援の手を差し伸べる観点から、休業等により収入が減少し、生活に困っている世帯に対して、生活維持のために必要な資金を迅速に交付する新しい給付金制度を創設する。
 具体的には、世帯主の月間収入(本年2月~6月の任意の月)が、①新型コロナウイルス感染症発生前に比べて減少し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等割非課税水準となる低所得世帯や、②新型コロナウイルス感染症発生前に比べて大幅に減少(半減以上)し、かつ年間ベースに引き直すと個人住民税均等 割非課税水準の2倍以下となる世帯等を対象として、1世帯当たり 30 万円の給付を行う。
 給付に当たり、収入状況を証する書類等を付して市町村に申請を行うこととなるが、申請者や市町村の事務負担を考慮して、可能な限り簡便な手続とするほか、オンライン申請受付等のシステム整備を行う。》

実際に自分たちが該当するかどうか、また、該当するとなった場合にどうしたらいいのか、この文書を読んでわかる国民はほとんどいないと思われる。

 まあ、政策文書であって、国民に周知するための解説ではないので仕方がないのだろうが、一律10万円としておけば、こんな面倒なことは不要だったはず。官僚と地方自治体、そして国民の側に余計な事務負担を増やしたことも改めて明記しておきたい。
 
 関連して申請主義なので、複雑な申請書を出すことができない世帯は、給付を受けることができないことになる。この制度上の欠陥をどう補うのかも、大きな課題となってくる。

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